戦争中の国に千羽鶴を送る【毒】

この報道を見たときは、本気で「冗談でしょ?」と思った。戦地に千羽鶴を送るなんて、どうかしている。何を勘違いしているんだ。頼むからやめてくれ。

平和な国の平和ボケした人たちが自己満足で送りつける善意が、今まさに命が脅かされている人たちの何の役に立つっていうんだよ?
「あなたたちを想っています」と伝えたいの?「私たちこんなに祈りました」って見てもらいたいの? なんで? 感謝されたいの?
祈るのはいい。折るのもいい。だけどなんで送るんだよ?
「折角折ったし」と思うなら(そう思うことがそもそも間違っているわけだが)、募金箱の横にでも飾らせてもらえばいいじゃないか。なのに、どうしてわざわざ送るの? 支援物資だと思って開けた箱に千羽鶴が入っていたときの相手の気持ち考えてみた? 今そんなもんを喜べる状況? 明らかに違うだろ。
彼らが求めているのは、明確な支援だ。なんでそれがわからないんだよ? その手間と金があればもっと有益な支援ができるのに、どうしてあえて千羽鶴を送ることを選ぶのか。それは本当に相手を想っていると言えるのか。

祈りを込めて鶴を折ることは、無論、悪いことではない。好きなだけやったらいいと思う。だけど、それを一方的に送りつけるのは間違っている。絶対に間違っている。
支援で大事なのは、何をしてあげたいかではなく、何が求められているかだ。そんなこともわからんのなら、何もしないほうがまだマシだ。国内でさえ、被災地が最も「いらない」と感じたものは千羽鶴だったってことを、今こそ知るべきだ。誰がどんな崇高な祈りを込めようと、それが現実だ。

この千羽鶴騒動を受けたツイートで、素敵なものがあったので載せておく。

「もう「千羽鶴プロジェクト」ってサイトかアプリでも作りゃいいんちゃうか。 ワンクリックで折り紙1セット分(約100円)の募金ができんの。 募金するたびに折り鶴がピューンってアニメーションがあってクッキークリッカーみてぇに「只今の募金額折り鶴5億羽分です」とか表示したらええやん。←」 / Twitter

なお、ご本人が補足もしていらしたので、ついでにそちらも。

「バズってるからリプ下げしたくないけど、これ何がいいってシステム化したら「何羽分募金しました」ってSNSでシェアできるから承認欲求満たされそうでいいよなって思うのよな。」 / Twitter

この件に関しては、私の好きな作家さんも呟いていたのでそれも紹介しておきたい。
勝手に要約すると、「千羽鶴を折って送るという行為は、相手が知人で、かつ、金や物ではどうにもならない祈るしかないような状況ならば、有りかも」という内容だった。なるほどと思った。

「送るな」と声を上げた人たちも、千羽鶴そのものを否定しているわけではないのよ。ただ、この局面で戦地にそれを送るという行為が常軌を逸しているということに気づかないばかりか、指摘をされても理解できない(しようとしない)人がいるということに心底驚いているだけで。
だから、そんな人たちの自己満も刺激しつつ、迷惑を減らして支援を増やせるこういう案は、本当にいいよなって思う。
誰か作らんかな・・・。

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