すぎやまこういち

すぎやまこういちが亡くなった。
驚いたが、90歳と聞いて「ああそうなのか」と思った。
誰もいずれは死ぬもんなぁ。
手塚治虫が60代で亡くなったときは、さすがに早すぎると思ったけど。
しかし、何を惜しんでいるのかと問われれば、才能であって人ではないと私は即答してしまえる。
そんな私が発する弔いの言葉など、誰が聞きたいか。
だから書かない。キレイゴトになってしまうから。
その真意は、私だけが知っていればよい。

Twitterでも、その音楽を懐かしむ声がたくさんあった。
初めて買ったのがドラクエⅢのサントラだった人もいたな。同志よ。
レコードで買ったら楽譜が付いてきて歓喜したものだ。
ピアノの楽譜ではなかったが、無理無理ピアノで弾いて弾いて弾きまくったわ。懐かしい。
ドラクエの曲に興奮するのは、ゲームが面白かったからなのかな?
でも、各シーンにマッチしていながらも、曲として秀逸であることは疑いようもない。
例えば、Ⅱの『王宮のテーマ』は『G線上のアリア』を思わせる旋律で、エンドレスに弾き続けてしまう心地よさがある。
また、復活の呪文を入力するときの曲が、ほぼ毎回「うおおおおなんでだああああ」という慟哭と共に聴いたにもかかわらず嫌なイメージが染みつかなかった。
つまり、この曲はその状況を見越して作られたのだろう。
長調と短調を巧みに混ぜ合わせて作られた、楽しさも憂いも表現したこの曲は、正に名曲だ。
ホントにすごい。

東京オリンピックでロトのテーマが流れたときのことはよく覚えている。
中継を見る気はなかったのに、鳥肌が立って、一気にもっていかれてしまった。
すぎやまさんもきっとご覧になっていたよね。
感無量だったんじゃないかなぁ・・・。
「それを見届けてのタイミングだったのかもしれませんね」などと、きっとどこかの誰かが記事にしてくれたに違いない。同感だよ。ありがとう。
だって・・・よかったよな。
私も一国民として、一ファンとして、一ゲーマーとして、この曲があの場に真っ先に響いたことをとても誇らしく思ったもの。

世界のすぎやまこういち。
思い出をありがとう。感動をありがとう。
私なんかが祈るまでもない。
先生はきっと冥福だ。

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