発達障害 -05 療育センター

地域療育センターには、数ヶ月に1回の頻度で通うことになった。
利用を希望する人があまりにも多く、その頻度が精一杯だったとも言えるが、それを不満に思ったことはない。
現状を知り、アドバイスをもらい、それを試して、報告する。
基本的にはその繰り返しなので、そのくらいが丁度いいとも思う。

うちが世話になった療育センターでは、0歳~小学6年生までを対象として、診療やカウンセリングなど多くのサービスを受けることができた。
うちの息子は広汎性発達障害、すなわち「心身の発達の遅れ」をフォローしてもらっていたので、それ以外の、例えば身体的な障害を抱えている人のためのサービスなど、知らない部分もたくさんある。
また、療育プログラムやグループ診療といったものともご縁がなかった。
従って、私が話せることはとても少ない。
少ないが、参考になることもあるかもしれないので書いておく。

まずは、診療
医師、心理士、言語聴覚士などの専門家が直接様子を見、また細かな検査をして、医学的診断や評価をする。
現状を正しく知り、どう向き合っていくべきなのかを考える上で大事な第一歩と言える。
しかし、その評価が全てだと鵜呑みにすることはお勧めしない。
その時々の本人の調子もあるし、もともと得手不得手がガタガタに出るそのガタガタ度合いの僅かな差に一喜一憂していても仕方がないからである。
結果は「傾向」であり、「対策を考える上での参考になる」程度に思っておいたほうがいい。
そんなことより重要なのは、その先を知っている医師の助言だった。
多くの似たような子を診てきた人の予言とも言える数々の言葉には真実味があり、私は大層励まされた。
「今これで悩んでいます」→「必ず収まります」といった具合に。
そんなまさか、とてもそうは思えない、信じられない、と思うのだが、実際そうなっていく。
なお、発達の程度を数値化するような検査を毎回行うようなことはしない。
そういった検査は年に1度行われ、その結果は療育手帳の発行などに用いられた。
ちなみに、診療は一般的な保険診療と同じ扱いである。

そして、相談
といっても、しょっちゅう電話をかけて担当ソーシャルワーカーを独り占めするようなことをしたわけではないし、今それを想像してなんじゃそりゃと思ったので、そういうことはしてはいけないと言っておきたい。
担当ソーシャルワーカーさんは、当然ながらひとりで何人もの子を担当している。
相談するにしても、主旨や要点をまとめて拘束時間が短くなるようにしてあげて欲しいものだ。
私はこのサービスを、主に制度についての質問や、幼稚園や学校との連携のために利用した。
ただ、このあたりのやり取りはややこしくて、療育センターだの福祉保健センターだの特別支援センターだのが同時進行で、どこで何を相談したのか記憶は曖昧だ。
ひとつ言えるのは、使える制度について知っておくことは大事だということ。
例えば、専門家に幼稚園や小学校に直接様子を見に来てもらって、先生たちにアドバイスをしてもらえる仕組みがある。
例えば、療育手帳を取得したなら、私立幼稚園等特別支援教育費補助費という補助金を幼稚園が申請できる可能性がある。
そういったことを知っているか否か、活用できるか否かの差は大きい。
知識と情報を合わせもった人と繋がれたことは、大変ありがたかった。

そんなこんなで、幼稚園での様子は劇的に改善していくのである。

つづく。

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