歯列矯正 -02 抜歯編(2本目)

親知らずの抜歯という最難関を乗り切ったことで、いくらか気持ちは楽になっていた。
2本同時とはいえ普通の歯だし、まあなんてことはないだろう。
そう思って当然だと思う。
しかし人生はそんなに甘くない。

結論から言うと、1時間半かかった挙げ句、1本しか抜くことができなかった
極めて立派な根っこだったらしい。
医者いわく、普通の抜歯のつもりで挑んだのが間違いで、結果的には親知らずよりも手こずってしまったのだそうだ。
歯科助手が頬肉を押さえずに済む位置だったことだけが救いか。

途中、何度も謝られた。
しかし1時間半口を開けっぱなしでいることはさほど辛いことではない。
そんなことより、医者があからさまに焦っていることが伝わってくるのがきつかった。
やっかいなことになった技術的な焦りもあるかもしれないが、一番は時間だろう。
「ちょっとすいません」「すぐ戻りますから」と中座する回数が増えていく。
私は悪くないのに、段々申し訳ないような気がしてくる。
やっとこ1本抜き終わり、「今日は1本にしましょう」と言われた時は、そりゃそうだろうと思った。

言うまでもなく止血はまたも失敗に終わり、しかし今度こそ血餅を作らせてみせるとかなり意識して頑張った結果、血は前回よりは早く止まった。
まあ、頑張ると言っても、あまり舌先でチェックしないとか、口を濯ぐ回数を減らすとか、そういったことくらいしかできないのだが、血が固まりづらいのなら、血が溶かされてしまう行為はなるべく減らそうじゃないかということで頑張ってみたのだ。
抜歯が親知らずより手こずったことを思えば、効果はあったと言えるだろう。

この時点で、最初の受診から3週間経っていた。
次こそ、2本同時抜きだ。
これまでの教訓を活かせば、今度こそスムーズに抜歯できるはずだ。
できるはずなんだ。

つづく。

人気ブログランキング 歯列矯正へ
にほんブログ村 美容ブログ 歯列矯正へ

歯列矯正 -01 抜歯編(1本目)

私は現在(2021年02月21日)、歯列矯正中である。
昔旦那がやっていたワイヤーをギリギリ締め上げる昔ながらのやり方ではなく、マウスピースによる矯正だ。
10日ごとに自分で新しいマウスピースに切り替えて進める。
受診は、1ヶ月半~2ヶ月に1回。
始まってしまえば楽なものだ。
しかし、ここまでは結構大変だった。

私の場合、まず抜歯をしなければならなかった。
横向きに生えている親知らずを筆頭に、本来犬歯があるべき位置に収まっている2本の歯、それから内側に倒れ込んでしまっている下の歯、計4本
一気に全部抜くと、私以外の診察と私の日常生活が致命的なダメージを喰らうので、1回1本、多くて2本という方針で抜歯が始まった。

まずは、親知らずから。
親知らずの抜歯はすごく大変だと身近な人から聞いていたので、ある程度覚悟して臨んだ。
歯医者とは思えぬようなけたたましい音をたてて歯が砕かれ、先生の腕がぷるぷる震えるほどの力業で引き抜かれていく。
歯科助手が、口内の頬肉が作業の邪魔にならぬよう、終始押さえている。
ああなんかごめんなさい。

作業時間はおよそ1時間。
その後、綿のようなものを噛まされて止血をするも、まるで止まらない。
「止まらないようならこうしてね」と言われたことを家でやっても止まらない。
「私は血小板が少ないから止まりにくいのかも」と諦めたが、3~4日経っても血は出続け、1週間経っても口を濯ぐと血で水の色が変わる有様だった。
いわゆる、血餅(けっぺい)がうまくできなかったのだと思う。
痛みのほうは、血の勢いが収まりかけた4日目以降から強くなった。
処方されたロキソニンでは足りず、以前他院で処方されたものをフル活用してなんとか凌いだ。
「ドライソケットというやつかなぁ」と思って鏡を見ると、抜歯後の縫合が頬肉を巻き込んでされていて、痛みが吹き飛ぶほどビックリした。
「これは正しい状態なの!?」と焦って調べてみたが、どうやら常套手段らしい。
しかし、どうもその縫われた頬部分が痛い気がする。
「これは正常な経過なの!?」と新たな焦りが生まれたが、1週間後の診察で「経過は良好です」とあっさり言われたので、思い過ごしだったと思うほかない。
抜糸は実にスムーズに終わった。

次の抜歯は、双方の都合でこのさらに1週間後に決まった。
予定が合いさえすれば、翌日でも抜いてしまえるらしい。
恐ろしい・・・まだ血が出ているというのに・・・。

次は、左右の立派すぎる八重歯(犬歯)を歯列に戻すため、邪魔な位置にいる健康な歯を2本同時に抜く予定だ。

つづく。

人気ブログランキング 歯列矯正へ
にほんブログ村 美容ブログ 歯列矯正へ