あまりにも効果を実感できなかった前回から、およそ10ヶ月が経った。
前回の施術後、そのことをカウンセラーに訴えたら、「パワーが弱かったのかもしれないから、次は出力を上げてもらうといい」と言われたんだが、そういう仕組みなら前もって説明するべきだし、施術中に担当者が「強さはどうですか」とかなんとか声をかけるべきだろ。
「次は」じゃないのよね。その1回にいくらかかってると思ってんだよって話で。
こういう対応されると、すげえ嫌だなって思う。
小規模だった頃のT医院は、カウンセラーも先生も友達みたいなノリで、他にはない良いところがたくさんあったのに、会社が大きくなってそういうところが失われてしまったのは、とても残念だ。
といったところで、さて。
ハイフの残り3回のうちの1回を受けに行って参りました。
折角行くんで、前回そうすると決めていた通り、ボトックス注射も同時希望で予約を入れましたよ。
ところがねえ・・・。
こちとら家事を短縮バージョンで済ませ、猛ダッシュで駅まで行ってなんとか予約時間に間に合わせたっていうのに、行ってみたら「今日は混雑していて、お待ちいだだいております」ときたもんだ。
「何時までに出なければならないといった御予定はおありですか」なんて訊いてくる。
いやそれ、「ないです」って答えたら後回しにされるってこと?
誰の後回しにされんの? 予約してんのよ? 優先順位どうなってんの??
でも、やりたいことはあったけど「予定」はなかったんで、「予定はないんで何時までにってことではないけど、早いに越したことはない」と正直に答えたら、部屋に通されるまでに50分待たされた挙げ句、カウンセラーが来るまでにさらに10分、計1時間待たされましたよ。
バカにしてんのか。
そんで、そっから先は駆け足だ。
初対面の若いカウンセラーは、ハイフと同時にボトックス注射(額、眉間2倍、目尻)をやるということを確認するとすぐさま出て行った。
しばらくして、これまた初対面の若いドクターが現われた。
ドクターは、今さっきカウンセラーと交わした会話をまんま繰り返すだけで退室。
儀式か。
いつもならこのまま会計になるんだが、今日は混雑しているからか、いつになく急かされて別の個室に連れて行かれた。カウンセリングルームを空けたかったんだろうな。
そうしてまたしても待たされる。
忘れた頃に顔見知りのおねえさんが会計のために現われた。
「お待たせしちゃって本当にすみません、本当にすみません、もう感謝しかありません」などとペコペコ頭を下げられる。
いやいやあなたは何も悪くないでしょう。
でも、あなたはきっと感じているんだろうね。この医院は変わってしまったって。
もう長い付き合いなので、そういう含みでもって謝っているんだろうなぁという気がしたよ。あなたもある意味、被害者だよね・・・。
さて、ようやく施術室へ移動。
まずはハイフ。それからボトックス注射。
ボトックスは熱に弱いので、熱を加える処理であるハイフが先なんだそうだ。
それはさておき、私はここで施術担当の人に言わなければならない。
「前回、全然実感できなかったので、出力を上げほしい」と。
その通りちゃんと伝えて、「これで今度こそ」と思う間もなく、驚くべき回答が返ってきた。
「出力は最大です」
・・・は??
「お痛みがある場合は弱めますが、これ以上強くすることはできません」
ちょっと待って。話が違うんだけど!?
そんなことがあってたまるかと、前回からの経緯を説明すると、担当者は首を傾げて、そんな話は初めて聞くという顔をした。
も・・・どうなってんのよ、ここ・・・。
私も担当者も、わけがわからない。
埒があかないので、お互い「当時(去年の7月)は弱い出力から始めるやり方だったのではないか」と思うことにして、「とりあえずやってみましょうか」ということになった。
担当者が機械を当てる。
ピピピピピピと音がして、皮膚内にパチパチとした刺激を感じた。
明らかに前回とは違う。前回は本当になんにも感じなかったから。
担当者の話だと、この刺激を「痛い」と訴えて、出力を下げてもらう人が結構いるらしい。ありえん・・・。現代っ子ひ弱すぎる。
てことはあれか、ひょっとしたら、前回はそう訴えた人の後で出力が弱いままになっていたって可能性もあるな?
てか、それもひどいっちゃひどい。ずさんすぎる。
仕事舐めてんのか。
設定にしろ方針にしろ、変えたのなら、確認や説明を省いたらいけないだろ。
今のT医院は、「その人」や「その一回」を、多くの中の一つとしてしか見なくなってしまっていないか。一人一人に寄り添う、担当カウンセラー方式はどこへ行っちゃったの?
私はまるでベルトコンベアーに乗せられている、どれと見分けもつかない一粒の金平糖のようだ。だからきっと、私が消えたとしても、痛くも痒くも、気付きもしないんだろう。
毎回違う人に相談し、違う医者に施術を受けるんでは、信頼もクソも無い。
本当に残念だ。
なお、ハイフのあとにやったボトックス注射では、目尻に結構な内出血が起こった。
青黒く腫れ上がって、プチお岩さん状態。
しかも痛ぇ。
日常のストレスを減らしたくてやっているのに、これじゃ本末転倒だ。
「内出血が起こる可能性はありますが、コンシーラーで隠せる程度です。1週間くらいで治まります」とか毎回言われるけど、そんなんで隠せるわけないし、そんな少しの日数じゃ絶対治んないよこれは。
ご丁寧に注射でまでダメ押しされては、笑うしかない。
もう十分だよ。十分ガッカリしてる・・・。
結局、ボトックス注射と契約済みのハイフ1回に、2時間半を要した。
溜息と共に帰りのエレベーターに乗り込んで振り返ったとき、カウンター内にいた女性が立ち上がって叫んだ。
「お気を付けて!」
会計のおねえさんだった。
ああ・・・。
あなたがいてくれてよかったよ。もはやここではあなただけが救いだ。
あと2回ハイフをやったら、私はきっと、もうここへは来ないと思う。
最後の日が、お休みと被らなければいいな。
このおねえさんにだけは、ご挨拶して去りたいので。